寒中お見舞い申し上げます。
博多は、昨年末はとても寒い日が続き、久しぶりに12月に雪が降りましたが、お正月は暖かな良い日和でした。寒に入ってからは、朝夕の冷たさは増したようですが、寒さは一段落した感じがします。
北陸では、積雪で大変な思いをされていらっしゃるようで、心が痛みます。

 さて、『かぜ』の流行する季節になりました。一般にいう『かぜ』とは、鼻、喉、気管などにおこる炎症をいい、症状は発熱・咳・鼻水・嘔吐・下痢・腹痛など様々です。診療上は、『感冒』『急性上気道炎』『咽喉頭炎』『気管炎』『感冒性腸炎』などを指します。また、症状が重い場合や、細菌などによる二次感染している場合は、『気管支炎』『肺炎』などを起こしていることもあります。

一方、『インフルエンザ』は、一般にいう『かぜ』とは異なります。
 『インフルエンザ』はインフルエンザ・ウィルスによる感染症です。症状は、高熱・節々の痛み・だるさなどが特徴で、人によっては嘔吐や下痢を起こすこともあります。インフルエンザ・ワクチンの予防接種をしていても感染しますので、注意は必要です。しかし、未接種の方に比べると症状は軽いことが多いようです。いずれにしても、症状を自覚したら、早めに治療することが大切です。

『かぜ』や『インフルエンザ』の予防には、
1. 人ごみを避ける。外出時にはマスクなどで予防する。
2. 外出から戻ったら、手をよく洗い、うがい(3回)をする。
3. 規則正しい生活を心がけ、暴飲暴食や夜更かしを避ける。
などを、ご留意ください。
 また、Harperによれば、摂氏22度で、湿度20%台の場合はウィルスの生存率は66%と高くなりますが、湿度を50%にするとウィルス生存率は4%と減少します。そのため、室内を暖かくするとともに、湿度を保つことも重要です。

何らかの症状を自覚したら、適切に栄養や水分の補給をし、安静にします。その際に、薬の服用はできるだけ避けましょう。内服後に受診すると、薬の作用で症状がマスクされ(わかりにくくなり)、適切な診断や治療の妨げになることがあります。場合によっては、手遅れになることもあります。
いずれにしても、症状を自覚したら、早めに受診することをお薦めします。

平成18年 1月 10日