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『いつもどおり』と『メタボリック・シンドローム』

『いつもどおり』と『メタボリック・シンドローム』

6月の福岡の早朝はとても爽やかです。私は普段、朝5時30分頃に起床し、洗面後、神仏に手をあわせます。その後、ゆっくりと珈琲を淹れ、それを飲みながら、新聞や書類、雑誌などに目を通します。朝食は7時、メニューの定番はご飯にお味噌汁、焼き魚・卵料理・お豆腐・納豆などをその日のスケジュールにあわせて数品をいただきます。出勤は8時頃、診療開始30分前には準備完了しています。
これは私にとっての朝の『いつもどおり』です。いかがですか?「えっ、そんなに早く起きるの!?」「朝からよく食べるねぇ。」などなど、みなさまの感想が聞こえるようです。
診療時、患者様に「いかがですか?」とお尋ねすると、「変わりありません。『いつもどおり』です。」と、お答えになる方が大勢いらっしゃいます。当然、受診される方はなんらかの体調不良があるのですから、いろいろとお尋ねします。特に、最近よく報道されている『メタボリック・シンドローム』の患者様の場合、朝の様子をお伺いしてみます。
ある患者様は、「朝食はご飯にお味噌汁、納豆、海苔、青魚を摂るために干物、ヨーグルトに林檎と柑橘類に季節の果物を添えて、更に、食事前にココア、云々・・これを全て毎朝続けています。」とお答えになります。理由は、「身体に良いので!!」ということなのですが、これではカロリーオーバー・塩分過多・脂分過剰etc.です。
一方、ある患者様は、「朝はぎりぎりまで寝ています。朝食は食べません。」と、仰るのです。よくよくお尋ねすると、「10時過ぎるとお腹が減るので、何かつまむことが多いです。」あるいは、「早めに昼食に出て、ラーメンや丼物をかきこみますね。もちろん、大盛です。」とのこと。
どちらの患者様も病気の進行を促進しているようなものです。極端なお話のようですが、意外とよくあるお話です。
さて、『メタボリック・シンドローム』とは、糖尿病・高血圧症・高脂血症・高尿酸血症など生活習慣病の素因の複合的な初期段階であり、生活習慣病の早期予防を目的として提唱されています。
では、『メタボリック・シンドローム』の何が困るのでしょうか?
健康診断などで、糖尿病・高血圧症・高脂血症・高尿酸血症など生活習慣病を指摘されているにも関わらず、放置している方が大勢いらっしゃいます。生活習慣病の初期段階、いわゆる『メタボリック・シンドローム』の状態はほとんど自覚症状がありません。そのため、気に留められないのだろうと思います。しかし、生活習慣に由来して病気になっているのですから、病状は日々進行していきます。
そこで、『いつもどおり』が大切になってくるのです。身体に良いつもりや、ふとした機会から、悪習慣が身についていませんか?
この季節、企業では健康診断が実施されています。また、福岡市では『ミニドック』制度があり、当院でも健康診断が行えます。
一度、あなたにとっての『いつもどおり』を見直してみませんか?

平成18年6月15日

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